1/15/2014

体脂肪合成のメカニズム


体脂肪はトリグリセリドの形で貯蔵される。体脂肪の貯蔵に関わる重要な酵素は以下の2つ。

・LPL  lipoprotein lipase 
・ASP Acylation stimulating protein

炭水化物・タンパク質→インスリン→LPL
脂質→カイロミクロン→ASP

LPLは主にインスリンによって活性化される。インスリンは炭水化物とタンパク質の摂取により分泌される。LPLは脂肪細胞内で作られ、脂肪細胞外壁に出ていき、カイロミクロンとくっつき、トリグリセリドを取り出して分解し、遊離脂肪酸を脂肪細胞周辺に解き放つ。遊離脂肪酸は脂肪細胞内に入るか、血液中に放出されエネルギーとして利用される。脂肪細胞内に入った遊離脂肪酸はグリセロールと結合し、トリグリセリドとなる。筋肉組織と心臓組織にもLPLは存在し、これらの組織で遊離脂肪酸がエネルギーとして利用されるのを助けている。血中のカイロミクロンの存在もLPLの活動を増加させる。

ASPは脂肪細胞内に存在し、カイロミクロンによって活性化される。ASPは遊離脂肪酸とグリセロールからトリグリセリドを合成するのを促進する。 ASPはインスリンレベルを高める働きもある。


従って、「糖質オフの食事ならインスリンの分泌を避けられ体脂肪が増えない」というのは間違い。もし人体がそんなメカニズムだったら大変。まず血中の脂質を脂肪組織に取り込めなくなるので、血中の脂質濃度が高いままになり健康に悪い。そもそもエスキモーがなぜ生きていられるのかという話になる。体脂肪の分解と合成は常に起こっているので、肉ばかり食べることで体脂肪合成が止まるのなら、分解のみが進んでいき、いつかは生存不可能な水準(3%くらい)まで体脂肪率が低下して死ぬ。


参考: Lyle Mcdonald / The Stubborn Fat Solution > p.24-26

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