6/23/2015

腰痛について4~推奨エクササイズ~(Low Back Disorders)

★基本概念
脊椎への負荷をなるべく減らしながら、脊椎を支える筋肉を総合的に鍛える。脊椎はS字カーブを保ったニュートラルの姿勢の時にもっとも負荷に耐えることができ、怪我のリスクが低くなる。また腰の健康は体幹の筋肉の持久力に関連する。従って、脊椎のニュートラル姿勢を維持しながらのアイソメトリックトレーニングが中心になる。

★腰の健康のためにやってはいけないエクササイズ種目
腰の健康のためにはシットアップは厳禁。レッグレイズも腰への負荷が高いのでNG。ローマンチェア等を使ってのバックエクステンション、床にうつ伏せになってスーパーマンポーズ、いずれも腰への負荷が大きいので腰を痛めている人には厳禁。競技パフォーマンス上どうしてもこれらのエクササイズが必要なアスリー トは、痛めないよう注意しながら行う。


★著者の推奨エクササイズ種目

カールアップ(腹直筋に主に負荷がかかる)
- 胸椎を軽く曲げて腹直筋中心に負荷をかける。腰椎と頚椎はなるべくニュートラルの姿勢を保つ。
- 仰向けに寝て手は腰の下にいれて腰椎がニュートラル姿勢を保つように支える。
- 片足のみ膝を90度に曲げる。こうすると腰が曲がりにくくなる。
- 首に不快感を感じる場合は、口蓋(前歯の後ろあたり)に舌を押し付けると首の筋肉が安定する。
- 肘は床に置いたまま、胸椎を曲げて肩と首を床から浮かす。浮かし過ぎるのも良くない。

[負荷の上げ方]
- 肘を床から数cm浮かす。
- 指先を額に軽く乗せながら行う。手を首の後ろに回すと引っ張って首が曲がりやすいのでこうする。アスリート向け。

サイドブリッジ(腰方形筋、腹斜筋、腹横筋に主に負荷がかかる)
- 脊椎のニュートラル姿勢を維持、腹回りの力を抜かず体幹を安定させ続けること。
- 初心者は両膝を90度に曲げて床につける。
- 大腿部、腰、胴体は真っ直ぐにして、片方の腕の肘を曲げ肘・前腕・手を床につけて上体を支える。
- もう片方の腕は床側の肩を抑えて安定させる。肩を抑えずに胴体の脇に腕を置いておくと負荷が上がる。

[負荷の上げ方]
- 膝を伸ばし、膝から下で脚を交差させ両足を床につける。膝は床から浮く。脚・腰・胴体が真っ直ぐ。
- サイドブリッジ→プランク→逆側のサイドブリッジ、を連続的に行う


バードドッグ(脊柱起立筋群に主に負荷がかかる)
- 脊椎のニュートラル姿勢を維持、腹回りの力を抜かず体幹を安定させ続けること。
- 両手両膝を床につけて四つん這いになる。
- 初心者は片脚、もしくは片腕を床から浮かす。高く上げすぎて、胴体がねじれないように注意。

[負荷の上げ方]
片腕と片脚を同時に上げる。右腕左脚、左腕右足の組み合わせ。水平以上に上がらないよう注意する。


★初心者向けトレーニングプログラム。
- 腰のウォームアップにキャットキャメルエクササイズを行う(猫とラクダのポーズを交互に行う)。可動範囲限界までやらないこと。軽く曲げ伸ばしを5,6回。立ちっぱなしや座りっぱなしなど同じ姿勢を続け腰が疲れている時にやるのも効果的。腰が軽くなる。
- ゆっくりとランジ。上体は起こしたまま。上体が前に曲がると腰への負荷が高くなる。
- カールアップ、サイドブリッジ、バードドッグを行う。最大8秒程度のアイソメトリック。8秒過ぎたら一旦緩めて筋肉に酸素供給してから、再びアイソメトリック。一回のアイソメトリック持続時間を伸ばすのではなく、回数を増やすことで持久力を高める。
- いずれのエクササイズも呼吸は自然に行う。呼吸をしながら脊椎の姿勢を維持できるよう訓練する。


★アスリート向け応用
エクササイズバイクを強めの強度で漕いで心拍数を上げてから、上記のエクササイズを行う。息が苦しい状況で体幹を維持する訓練になる。


★詳しいエクササイズ方法を知りたい場合
今回の参考書籍には、具体的なエクササイズについてはあまり詳しく書かれていない。エクササイズにフォーカスした続編が出ているので、興味のある方はどうぞ。これもまた価格が高いので、Low Back Disordersで満足した私は続編は読まなそうです・・・。


参考書籍:
Low Back Disorders / Stuart McGill
http://www.amazon.com/Low-Back-Disorders-Second-Edition/dp/0736066926

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