7/27/2017

ベンチプレスの背中のアーチ


上の動画を見て、なるほど~と思ったので紹介。


★脊椎の怪我リスク
脊椎は自然なS字カーブのニュートラルポジションを逸脱しつつ、強い力が加わると怪我のリスクが高くなる。デッドリフトやスクワットは圧縮方向の力とせん断方向の力が強く加わるので、脊椎はニュートラルポジションを維持する必要がある。

ベンチプレスでは、良いフォームで行えば脊椎に強い力が加わらないので、脊椎がニュートラルポジションから多少逸脱しても怪我のリスクは低い。もちろん過度に逸脱すれば怪我のリスクは高まる。

脊椎の安全or危険は、以下のとおり。(脊椎が健康であることが前提)
a) ニュートラルポジションを維持しつつ強い力が加わる→安全
b) ニュートラルポジションから逸脱するが強い力は加わらない→安全
c) ニュートラルポジションから逸脱しつつ強い力が加わる→危険


★ベンチプレスでの良い背中のアーチの作り方
1) 腰椎を限界まで反るのではなくて、背中全体を反る。腰椎は自然にカーブしているのであまり反ることを意識せず、胸を突き上げ胸椎を反るのを意識する。動画のような背中のアーチを作るには胸椎の柔軟性が要求されるので、普段から胸椎の柔軟性トレーニングをしておく必要がある。猫背・反り腰の人は、まずは姿勢矯正を行わないと、良いアーチが作れないだろう(下の参考記事を参照)。

2) 尻はベンチにつける。下の「悪い背中のアーチ」の図のように、尻を浮かして、腹を突き出して、腰を反ると、腰への負担が大きくなる。

3) 臀筋に力を入れる。そうすると骨盤の前傾(=腰椎の過度の反り)を防げるし、脚から上半身への力の伝達(レッグドライブ)がやりやすくなる。

4) 肩甲骨は引き寄せて動かさない。動かすのは肩関節と肘関節のみ。脊椎も肩甲骨も動かさない。

5) 挙上中はグラグラしない。脊椎にも肩関節にも危険。





★目的によるアーチの違い
競技としてベンチプレスを行う場合は、限界までアーチを作って挙上距離を短くしたほうが有利になる。単なる筋トレとしてベンチプレスを行う場合は、挙上距離を長くした方が筋肥大効果が高まり、力を発揮できる関節の角度の範囲が広くなる。ただ、アーチを作ると肩関節への負担が小さくなるので、肩の怪我リスクとトレーニング効果のバランスを考えると、筋トレ目的のベンチプレスでは軽くアーチを作るのが良い思う。



参考記事:
胸椎の姿勢矯正

バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

骨盤の前傾の矯正

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