3/28/2014

プレスの基本ポイント


プレス・・・立って膝関節をロックした状態でバーベルを使って行うオーバーヘッドショルダープレス。肩周りの筋肉、上腕三頭筋、体幹が鍛えられる。

プレスのバリエーション
・ ミリタリープレス: 尻や背中の動きを使わないストリクトなプレス。
・ プッシュプレス: 膝関節の伸展も使うプレス。

★ プレスの手順
- ラックにバーを乗せた状態からスタート。ラックにセットする高さはスクワットと同じくらいで、胸のあたり。
- 最初はおもりをつけずに、バーのみでフォームを習得する。
- 手幅は、後ろから見て前腕が垂直になるように握る。
- グリップは手を少し回内させ、拇指球と手のひら中央で挟むように握り、前腕に垂直に荷重がかかるようにバーを乗せる。バーが生命線にフィットする感じ。
- バーをラックアップして、やや肩をシュラッグして少し前に出す。鎖骨から三角筋前部のあたりにバーを乗せる。前腕が長い人はバーが浮くけど、仕方が無いので浮いた状態をスタートポジションにする。
- 横から見て肘はバーより前に出る。橈骨(前腕の親指側の骨)が垂直になるようにすると、肘は前に出る。
- 足幅はスクワットくらい。それほど厳密な足幅は要求されないので、やりやすい足幅で。
- 胸を上にクイッと上げる。脊柱起立筋の上部を収縮させる。
- プレスの動作中は、視線を水平を保つ。壁でもなんでもいいので、目の高さと同じ位置のものを見続ける。
- バーを上に押し上げる。顔面ギリギリをバーが通過するようにする。鼻をかするくらい。余計なモーメントアームが発生しないようにする。
- スタート直前の全身の姿勢は、大腿四頭筋に力を入れて膝関節をロック、臀筋と腹筋に力を入れ全身がやや弓なりになった状態。重心はつま先側。この弓なり姿勢から直立姿勢に戻る勢いに乗せて、バーを上に押し上げる感じにする。
- バーが額の前を通過したら、弓なり姿勢からの戻りを利用して、頭部と胴体をバーの下に入れる。バーの軌道は垂直。身体がバーの動きに合わせる。
- バーを上げきったら、僧帽筋を収縮させ、肘関節を伸ばしきって、ロックアウトする。首の後ろの上辺りにバーがくる。足の中央、肩関節、バー、これらが垂直線上にあるような位置でロックアウト。重心は足の中央。
- 呼吸はバーが下にあるときに行う。動作中は息を大きく吸い込んだ状態で息を止めて体幹を固定する(バルサルバ法)。各レップごとに呼吸を行うこと。


参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはスクワットデッドリフトベンチプレスパワークリーンの解説があります。)


参考動画:
Mark Rippetoe: Press Review
https://www.youtube.com/watch?v=GJFjYyA40ss

Mark Rippetoe: Weighted Press 2
https://www.youtube.com/watch?v=TtTEMRse54g

3/25/2014

コルセット(腰を痛めたら)

旅行にいっていてその疲労が溜まっている状態で、器具の使用状況の都合からトレーニング終盤にデッドリフトをやったら、腰を痛めた。途中で起立筋がヘタってきているな~とは感じていたが、あと1レップいけるだろうと続行したらピキッと・・・。疲労があって、集中力が低下している状態でデッドリフトは危ない。

たぶん1-2週間で治る程度だと思うけど、 日常生活に支障が出るので、慌てて腰コルセットを注文。先ほど届いたので、早速着用してみたところ、固定力が強くてかなりいい感じ。長期使用はしてないので耐久性等についてはわからないけど、腰を痛めてしまった場合にお薦めできるものだと思う。

備考:
- Mサイズを購入したが、対応腸骨周囲は表記より+5cmくらい大きいかも。 Amazonのレビューでも作りが大きめだと書かれている。
- Amazonだと色によって価格が違う。
 
ダイヤ工業/プロハード
https://www.daiyak.co.jp/product/detail/2

3/20/2014

スクワットの基本ポイント

スクワットの基本ポイント

ここで解説するスクワットは、ロウバー(low bar)パラレルスクワット。膝をあまり前に出さず、股関節伸展を主動力とするスクワット。

★基本的な考え方
- 重心の位置が足の中心の真上にくるようにする。バーベルを担いだ人間の重心位置は、身体とバーベルから合成される。バーベルが重くなると重心はバーベルの位置に近づき、足の中心のほぼ真上にバーベルが来るようになる。以下の記述では簡便のため、バーベル位置=重心位置とする。
- バーベルは常に足の真上に来るので、バーベルを担ぐ位置が、背中の角度および股関節・膝関節の角度を決める。バーベルを担ぐ位置が高くなれば(ハイバースクワット)、背中の角度は垂直に近くなる。
- パラレルスクワットは、膝頭より股関節が下になるまでしゃがみ込む。大腿部の下側が水平になるだけでは、しゃがみ込みが足りない。
- スクワットの各フォームによる膝関節への負担の違いは、大腿部前面(四頭筋)のテンションと大腿部後面(ハムストリングス)のテンションの釣り合いの問題が大きい。パラレルスクワットはボトムに近づくにつれハムストリングスにかかるテンションが強くなることで、四頭筋のテンションと釣り合いが取れ膝関節への負担が軽くなる。ハーフスクワットやクオータースクワットだとボトムでの切り返しの時にハムストリングスにあまりテンションがかかっておらず、扱える重量が増えることも相まって膝関節の負担が大きくなる。

★まずはバーを担がずにフォーム確認
- 目安としては踵の位置が肩幅と同じくらいになるように立ち、身体を前後に通る中心線からそれぞれ30度くらいつま先を外側に開く。
- 股関節が膝頭より下にくるようにしゃがむ。体格にもよるが、だいたい膝はつま先より少し前に出るくらいの位置。
- 両手の平を合わせて、肘を膝の内側に当てて肘を外側に突き出し、膝を外側に押し出す。こうするとつま先の向きと膝の向きが揃う。
- 深くしゃがむのが難しい場合、その多くは膝が十分に外側に出ておらず、股関節が屈曲するにつれて骨盤の下側と大腿部がぶつかり、それ以上しゃがむのを邪魔するからである。ハムストリングスの柔軟性に問題があるケースは少ない。立ち幅と脚の開く角度を調整して、自分が深くしゃがめるポジションを決める。
- 背中は丸めず反らしすぎずフラットに。ボトムポジションでの地面に対する背中の確度は45度くらい。胸を張り、目線は1-1.5メートルくらい先の地面を見る。首の位置は顎にテニスボールを挟むくらいになる(実際に挟んでみるのも良い)
- 立ち上がる時は、尻を上に上げていく感じにする。そうすると各関節と筋肉が自然に連動して立ち上がれる。足をふんばろうとか膝を伸ばそうとか、一部分にフォーカスすると連動が上手くいかない可能性がある。誰か他の人に尾てい骨のあたりを手で押さえてもらいながら立ち上がると意識しやすい。

★バーを担ぐ
- 肩甲骨を寄せて背中をタイトにする。
- バーを乗せる位置は、肩甲骨の上端部より少し下の位置。後部三角筋の上、僧帽筋の下、ちょうどここに窪みができてバーが安定しやすいはず。
- 握り方はサムレスで、バーの上に手をかぶせるようにする。バーの重量は背中で受け止める。
- 肘を後ろ側に上げて、掌底がバーを押す感じにする。腕は窮屈なので自然とバーを掌底で押す方向に力がかかり、バーは背中に押し付けられて安定するようになる。肘を下げて(前腕を鉛直にして)、腕でバーベルの重量を支えようとするのは駄目。
- バーをラックから上げる。バーの位置は足の真上、足の中心部に重心を感じること。背中と胴体はタイトなまま。視線は1-1.5メートル先の地面を見る。
- しゃがみこんで、下半身の各筋肉の伸張反射を使いながら立ち上がる。しゃがんでから立ち上がるまでは、息を吸い込み、喉を閉めて空気を逃さないようにし、体幹の筋肉を締めて、胴体をしっかり固定する。下半身で発生させた力を、胴体を固体化することで、上半身に乗せたバーベルに効率よく伝える。
- 視線は常に1-1.5メートル先の地面を見つづける。首を仰け反らせて視線を上にしないように。首が危険だし股関節伸展の力が使いにくい。
- ボトムに近づくにつれてハムストリングスにテンションがかかって下背部が引っ張られ丸まりそうになるが、脊柱起立筋をしっかり収縮させることでこれを防ぐ。
- 常に足の中央にバーベルの重さを感じながら、しゃがんで立ち上がるを繰り返す。バーベルは垂直に上下する。

★その他
- ベルトを着用することで腹筋をより強く収縮させ、腹圧を高めることができる。体幹の筋肉の発達を妨げたりはしないので、必要だと感じたら積極的に着用しよう。


参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはデッドリフトプレスベンチプレスパワークリーンの解説があります。)

参考動画:
【肉体】正しいスクワット講座【改造】
http://www.youtube.com/watch?v=uCD4sb1kpJw

3/17/2014

HST(筋肥大に特化したトレーニング)について

HST(Hypertrophy-Specific Training)とは筋肥大を効率的に行うためのトレーニング方法である。筋肥大だけでなくストレングスも得られるが、筋肥大を主目的としている。


★HSTの対象者
- トレーニング中級者以上。
- 増量したい人。維持や減量する人には向いていない。


★HSTの基本原則
1. メカニカルな負荷
筋肉にメカニカルな負荷を与える。(補足を書くと、筋肥大への刺激はメカニカルな負荷とメタボリックな負荷に大別できると言われている。前者は強いテンションを与える、後者は短インターバルや多セットで疲労を与える)

2. 高い頻度で筋肉に刺激を与える。
効率的に筋合成が起きるのはトレーニング後1-2日間程度。細かく分割して各部位週に1回トレーニングだと筋肥大ペースが遅くなる。

3. 漸進的負荷
筋肉は負荷に対して適応していき、刺激になかなか反応しなくなる。

4. 戦略的な機能低下(Strategic Deconditioning)
筋肉は負荷の絶対値だけではなく、負荷の変化にも敏感。負荷の絶対値の上限はいずれ到達する。9-14日間の完全休養を入れることで、筋肉を一旦だらけさせ刺激に反応しやすくする。


★HSTのメソッド
- 高レップ期間を入れることで関節周りを強化(乳酸や血行で靭帯が強化される)
- コンパウンド種目を推奨。
- 2週間を1ブロックとし、各ブロックごとにレップ数を変えていく。最初の2週間は高レップ低負荷→次の2週間は中レップ中負荷→その次の2週間は低レップ高負荷といった感じ。簡便化のためにブロック化している。重量を徐々に増やしていくことが目的なので、自分でアレンジしても良い。
- 一回のトレーニングでの各種目のセット数は1-2セット。中枢神経系の疲労を抑え、回復に時間がかからないようにし、頻度の高いトレーニングを行えるようにする。基本は全身トレーニングを一日置きに週三回なので、一週間あたりのトータルセット数は分割トレーニング方法と同じくらいになる。
- 低レップのブロックでは、セット数を少し増やしても良い。自分の体力や回復力を勘案して調整する。
- スタンダードなレップ数設定は、1ブロック目は15レップ、2ブロック目は10レップ、3ブロック目は5レップ。
- 4ブロック目は、5レップを6回全部最大重量でトレーニングか、ネガティブトレーニングか、ドロップセット。
- 15レップ、10レップ、5レップの最大重量を事前に測定しておく。
- 各ブロック6回のトレーニング日がある。最初は軽い重量(レップ数は一定)で、徐々に重量を上げていき、6回目のトレーニング日でそのレップ数での最大重量にする。最大重量が50-100kgくらいなら、一回あたり2.5-5.0kg増やしていく。毎回5-20%くらい増やしていく感じ。
- 十分にウォームアップすること。怪我のリスクがある時はトレーニングしない。遅発性筋肉痛の時はトレーニングして良い。
- 4ブロック目まで終わったら1サイクル終了。Strategic Deconditioningとして9-14日間の完全休養を入れる。2サイクル目からは、怪我のリスクを感じなければ15レップのブロックはスキップして良い。


★HSTのトレーニングプログラムの例



★HSTにたいする個人的な印象
- トレーニング後に筋合成・分解の続く時間メタボリックな負荷の筋肥大への効果を考えると、説得力ある理論だと思う。試してみたい。
- 一日に全身やるのはキツイので二分割でやりたい・・・。
- 肩や腕やカーフは5レップだと怪我が怖いので、レップ数多めにしたい。


・提唱者のサイト
http://hypertrophyspecific.com/hst_index.html

・簡単な解説
http://www.bodybuilding.com/fun/paul4.htm

・体験者の報告
http://tnation.t-nation.com/free_online_forum/sports_body_training_performance_bodybuilding/hst_training_dead

3/14/2014

[ボディメイク記録] 現状記録と増量プラン



★現状記録
筋グリコーゲンレベルは普通くらい。直前のトレ履歴は、前日に下半身、前々日に上半身。


★身体計測
身長:180cm
体重:75.5kg
バスト:100cm
ウェスト:79cm
ヒップ:92cm
右上腕:30cm
左上腕:29cm
手首径:16cm
右大腿:56cm
左大腿:55cm
右カーフ:35cm
左カーフ:34cm
足首径:19cm


★主な種目のトレーニング重量
懸垂ワイド順手・・・5kg加重×8reps
バーベルベントロー・・・70kg×8reps
チェストプレス・・・85kg×8reps
バーベルベンチプレス・・・60kg×8(フォーム習得中で安定せず)
ダンベルショルダープレス・・・18kg×15reps
デッドリフト・・・110kg×3reps
レッグプレス・・・135kg×10reps
レッグカール・・・60kg×10reps


★特に強化したい部位
背中と尻。身体の左側。


★増量プラン
自分の状況からすると、筋肥大速度は2ヶ月で1kg増えれば上出来だろう。体脂肪も同量増えるとして、1ヶ月1kgの体重増加ペースを目安とする。

でもまあ体脂肪はなるべく増やしたくないので、シクリカルダイエットを増量に応用するとどうなるのか実験してみる。一週間を1サイクルとして、基本スケジュールを以下のようにしてみよう。

1日目:上半身トレ/500kcakオーバー
2日目:下半身トレ/500kcakオーバー
3日目:維持カロリー
4日目:上半身トレ/500kcakオーバー
5日目:下半身トレ/500kcakオーバー
6日目:低炭水化物
7日目:低炭水化物

トレーニング日は朝から炭水化物を詰め込んで、筋グリコーゲンレベルを高める。トレーニングボリュームは、中二日で回復する程度に調整。

3/11/2014

中高年の高タンパク食に癌リスク?

中高年の高タンパク食に癌リスク
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140311001

当該研究:Low Protein Intake Is Associated with a Major Reduction in IGF-1, Cancer, and Overall Mortality in the 65 and Younger but Not Older Population
http://www.cell.com/cell-metabolism/abstract/S1550-4131%2814%2900062-X

関連研究:Long-term effects of calorie or protein restriction on serum IGF-1 and IGFBP-3 concentration in humans
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2673798/


当該論文を読んでみた感想。

・高タンパク質グループは心筋梗塞や糖尿病の病歴が多く、体重を減らそうとしたり、健康上の理由で食生活を変えた人の割合も高い。また、高タンパク質グループは自己申告の摂取カロリーも低い。一応研究ではこの関係性を気にして、糖尿病患者ではない人の糖尿病死亡率を出していて、低タンパク質グループが低いという結果になってはいるが、病的な肥満の人が高タンパク質・低カロリーの食事に切り替えたことにより、高タンパク質グループでは潜在的に死亡の危険度の高い人が多くなっている可能性は排除できない。(Table S1参照)
・IGF-1が癌を促進すると主張しているのに、50-65歳の中タンパク質グループの癌死亡リスクはIGF-1の上昇とそれほど強く比例していない。また、65歳以上の癌の死亡率は、高タンパク質グループの方が低くなっている。それと、50-65歳の全体の死亡率は、中タンパク質グループではIGF-1の上昇によりやや低下するという結果になっている。(Fig S2参照)
・低タンパク質・高炭水化物グループは、穀物や野菜や果物からの食物繊維や微量栄養素の摂取量が健康リスクの低減に寄与しているのかもしれない。
・調査対象の平均ウェスト97cm、平均BMIは27。研究の結果が、健康的な体型の人に当てはまるかわからない。
・平均の摂取カロリーは1800kcal程度だけど、こんな体型の人がこのカロリーのはずがないだろう。身長170cmだと体重80kg。食事内容の自己申告のいい加減さを示している。
・各グループ内でBMIレベルごとにそれぞれ危険度を出せば、もう少しリスク要因がわかるかもしれない。


関連研究を見ると、タンパク質摂取量が多くても痩身を保てばIGF-1は低下している。仮にIGF-1レベルの上昇が癌のリスクを高めるという仮説を受け入れるとしても、健康的な食生活をし痩身を保てばタンパク質の摂取量が多くても問題ないのではないでしょうか。

個人的には、特定のホルモンや遺伝子や食材などを病気や老化の要因として槍玉に挙げるタイプの主張は好きではないです。特に、局所的な細胞レベルの働きを長期の身体活動に敷衍する主張や、疫学調査を根拠に単純な因果関係を持ち出す主張は。人間の身体はそんなに単純ではないだろうと思います。

3/09/2014

成長ホルモンと筋肥大

成長ホルモンはアナボリックホルモンではありません・・・という記事。

コンパウンド種目を30-60秒程度の短いインターバルで行うと、3分や5分といった長いインターバルでトレーニングを行った場合に比べて各種ホルモンレベルが大きく上昇するのは事実であるが、成長ホルモンもテストステロンもIGF-1も、トレーニングで一時的に血中レベルが上昇する程度では、長期的な筋肥大には影響はないだろう。また、スクワットをすれば成長ホルモンが分泌されて腕の筋肉の肥大にも有効である、というトレーニング理論も誤り。記事では色々と研究を引用していて、リファレンスも付いているので、興味のある人は調べてみてください。

記事の補足としては、筋肥大と体組成に関する測定精度の問題があって、数週間のトレーニングでは測定出来るほどの差がでない場合も考えられる。3-5レップといったトレーニング方法ではないので、1RMの伸びに差が出ていれば実際には筋肥大に差が出ていると思う。筋肥大や体組成の測定値に差が出ている研究と出ていない研究があるが、1RMに関しては長いインターバルの方が伸びている傾向がある。短インターバルと長インターバルでは、セット数が同じなら長インターバルの方が重い重量と多いレップ数を扱えてトレーニングボリュームが大きくなるので、高い効果が出ていると思われる。

従って、ホルモン分泌を気にして短いインターバルで2セット目以降のトレーニングボリューム(重量とレップ数)を犠牲にするなら、インターバルをしっかり取って強度の高いトレーニングを行った方が良い。もちろん短いインターバルでもセット数を増やすなどしてトレーニングボリュームを確保できれば、高いトレーニング効果が望める。短いインターバルのメリットは、トレーニング密度を高めてトレーニングにかかる時間を短縮できることである。(個人的には、腕や肩の軽い重量の単関節種目は短めのインターバル、コンパウンド種目は2-3分くらいのインターバルでやっています)

各ホルモンの外部からの投与については、成長ホルモンは投与しても筋肥大に影響無し。テストステロンの投与は、筋肥大に如実な影響がある。ただ成長ホルモンも、テストステロンやアナボリックステロイドと合わせて投与すると筋肥大効果を高めることがドラッグユーザーの間では知られている。

それと記事ではコルチゾールの影響には言及されていないが、コンパウンド種目ではテストステロンレベルと同様にコルチゾールレベルも一時的に上昇すると書かれてる。よくトレーニング時間が75分くらいを越えるとコルチゾールが出てカタボリック云々と言われるが、一時的なホルモンレベルの上昇は気にしなくて良いのではと思う。コルチゾールレベルが問題になるのは、強いストレスや極度の減量や睡眠不足による恒常的な上昇だろう。


追記:後からふと思ったけど、限界の二歩手前くらいのトレーニング内容にしてインターバルに関わらず同じトレーニングボリュームを行えるようにした場合、60秒インターバルと3分インターバルの比較をするとどうなるのだろうか。短いインターバルによるメタボリックなストレスに効果があるのかはっきりと切り分けできる。

→これやってる研究を見つけた。2015年の研究。1分vs4分で、1分の方が効果大。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25294666

まあキャパシティの上限の強度でトレーニングするなら、十分に回復するインターバルを取ってトレーニングをした方が効果的なので、 本文の結論は変わらない。


参考:Boosting Growth Hormone with Diet & Training: Fact or Fiction? Part 1
http://anthonycolpo.com/boosting-growth-hormone-with-diet-training-fact-or-fiction/

関連: 筋合成・分解へのインスリンの役割

3/06/2014

Alan Aragon に聞く栄養の基礎


1. 筋肉を増やしたり体脂肪を減らしたりといった身体組成の変化を扱う場合、マクロの栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物の割合)とカロリーが同じならば、どんなものを食べるかは問題にはならないか? 例えばハンバーガーとプロテインシェイクの食事と、チキンとブロッコリーとオリーブオイルとアーモンドといった健康的な食事を比べた場合、筋肉と体脂肪について言えば結果は同じか?


A. 身体組成についていえば、食事内容は問題にはならない。食物繊維の摂取量や、固形物か流動食かといったことに伴う満足感の問題が起こる可能性はあるが。健康意識をそれなりに持ち、ジャンクフード中毒者のようには食べない人は気にしなくて良い。


2. 夜に食べると不必要に体重が増加するか? 特に炭水化物を食べると?

A. 脂肪燃焼が、起きている間に多いか寝ている間に多いかは問題にはならない。問題になるのは24時間での脂肪のバランス、つまり脂肪合成と脂肪燃焼の差である。もし昼間あまり食べず、夜多く食べた場合、脂肪燃焼は昼間に多く起こる。逆の食事パターンだったら、夜に脂肪燃焼が多く起こる。結果、24時間での脂肪のバランスは同じになる。その時間帯に何らかの活動をすることでエネルギー摂取の増加が必要になるのでない限りは、昼に多く食べて夜に少なく食べることは、身体組成の変化にとって本質的には役に立つわけではない。


3. ワークアウト後の炭水化物摂取は必要か? タンパク質と脂質を含む食事は同じくらい効果的か? インスリンレベルの急騰が役に立つといった考えは正しいのか。

A. ワークアウト後がアナボリックの好機であるという考え方は、とても誤用され乱用されている。一日に複数回のグリコーゲン枯渇を伴う活動をする持久運動のアスリートでない限りは、ワークアウト前の栄養摂取によりワークアウト後の栄養摂取の緊急性はほぼ無くなる。最近の研究によれば、45gのホエイ・アイソレートの投与は、血中アミノ酸レベルをピークにするのに約50分かかり、それに伴うインスリンレベルの上昇はホエイ投与から40分後にピークになり、投与後120分間は筋分解を抑制する水準を超えたままであった。この投与では、インスリンとアミノ酸レベルが元に戻るまで3時間かかった。炭水化物をこれに加えれば、インスリンとアミノ酸のピークレベルを高くし持続時間をより長くするだろう。

アナボリックチャンスはワークアウト後のごく短い時間だとか、トレーニング中にアミノ酸を摂取しなければならないといった戯言はもうやめよう。ワークアウト前に栄養摂取をしておけば、トレーニング中から血中に栄養素が出回り、それはトレーニング終了後も続く。ワークアウト前の栄養摂取がない場合でさえ、ワークアウト後の食事のアナボリック効果は、ワークアウト前の栄養摂取がないことを補う形で増加する。また最近の研究では、ワークアウト後のタンパク質と炭水化物の投与は、タンパク質のみの投与に比べてネットでの筋肉量をより増やすことは無かった。炭水化物を加える事が逆効果になると言うわけではないが、最適の結果を得るためにはワークアウト後すぐに炭水化物を大量摂取しないといけないという考えは疑わしい。

多くの人が認識していないことは、ワークアウト後に短い時間だけ起こる魔法のようなアナボリックのタイミング(日本だと所謂ゴールデンタイム)なんてものは存在しないということだ。トレーニングを行えば、タンパク質摂取に対する筋肉の反応は少なくとも24時間は続く。


4. 多くの人は、炭水化物の摂取が日々の活動や、ジムでのトレーニングに必要なエネルギーを与えるのに必要であると考えている。脂質とタンパク質で主に構成された食事でも、同じようにエネルギーを与えるのだろうか?

A. 何を目標とするかによる。ざっくりとした言い方をすれば、個人の好みと許容度次第だ。気晴らし程度の運動目的なら、単純に一日のマクロ栄養素の目標を守ることが重要だ。


5. ケトジェニック・ダイエット(厳しい糖質制限ダイエット)は、体脂肪燃焼をより効果的に行うのか? それとも維持カロリー以下の摂取カロリーにすることが最も重要なのか?

A. ケトジェニック・ダイエットは体脂肪減少についてに何ら特別な効果はない。これはコントロールされた長期の研究で繰り返し示されている。よくあるデザインの悪い研究は、タンパク質の摂取量を揃えていないものだ。

タンパク質の摂取量を揃えれば、代謝上わずかに優位性があるのは、炭水化物が多いダイエットだ(理由は書いていないが食事誘導性体熱産生やDNL変換でのロスやレプチンレベルが関係していると考えているのだろうか)。まあともかく、炭水化物中心か脂質中心かについては、どっちかに極端に偏った食事にするのでなく、大雑把な中間的な立場が良いだろう。個人の炭水化物の必要性は許容度や好みや目標によって大きく違う。ある人にとっては炭水化物が少ない方が効果的だし、他の人にとってはそうではない。


6. 複雑な炭水化物と二糖類などのシンプルな炭水化物について。体組成変化を扱う場合になにか違いはあるか。満足感とか。GI値の違いとか。

A. 炭水化物の複雑さと満足感にははっきりとした関連性があるわけではない。しかしながら、含まれる微量栄養素の観点からnon-milk extrinsic sugars(砂糖など)の摂取割合は抑えた方が良いだろう。
GI値についていえば、以下の条件を全て満たさない限りは、糖尿病患者を含む全ての人にとって関係ない。
- 高炭水化物/低タンパク質/低脂質/低食物繊維の食事
- 慢性的なオーバーカロリーの状態
- 座ってばかりで運動せず


7. 玄米や全粒粉にはビタミンやミネラルの吸収を阻害する物質が含まれていて、吸収される栄養的には精製された食品に比べて単に高価格なだけであるというのは本当か?


A. 本当だ。玄米は窒素保持に劣り、生体の利用できる微量栄養素の観点では優位性が無い。


8. 一日の食事回数について。カロリーとマクロ栄養素を満たした場合、一日の食事回数に最善の方法はあるか。

A. 結論から言えば、食事回数は個人の嗜好や許容度や目標に沿って決められるべきだ。食事回数を多くすることに代謝上の優位性は無い。コントロールされた研究で繰り返し示されている。


9. 全卵を食べるとコレステロール値に影響するか?

A. 全卵を食べるとLDL値とHDL値が上昇する傾向がある。しかしこのLDL値の上昇は動脈硬化に対してニュートラルな副画分でのものだ。だからリラックスして良い。全卵に含まれる脂質はちゃんとマクロ栄養素にカウントするように。


10. 一回に吸収できるタンパク質の量に上限はあるのか? そうだと仮定すれば、タンパク質を摂取するベストのタイミングはワークアウト後と朝なのだろうか?

A. いいえ。一日のトータルの摂取量を満たせば、それでうまくいく。

 Intermittent Fastingで良い結果を出している人々は一部の成功者なのか、それとも人間の身体は一定時間内の食事で残りの一日を効率的にやっていくことが出来るのか?

A. IFの成功例は、食事を効率的に消化し同化する身体の能力を示している。すごいカラダをしている人は多い食事回数によるものだと人々は思い込んでいるが、それは正しくない。IFの成功例は、人間の身体は我々が認めているよりも賢いという事実を強固にするものだと私は考える。


その他のQA

- もしたくさん飲み食いしてしまったら、どのようにリカバーして元のペースに戻すのがベストか?

A. くよくよせず、目標に向かってこれまでどおりのことをやれ。

- 寝る前にカゼイン摂取は必要か? 他のタンパク質は?
A. 高品質の様々な食材を適切な量食べていれば、寝る前のカゼインは成功にとって重要ではない。どのような高品質のタンパク源も有効。どのみちトータルのタンパク質摂取の一部分でしか無い。

- トータルのタンパク質摂取量が十分な場合、BCAAの摂取は効果があるか?
A. トータルのタンパク質摂取量が十分なら、追加で摂取するBCAAはプラシーボ効果はあるだろう。

- Nutrient-Partitioners(筋肉にエネルギーを送り込んで、脂肪を分解すると謳うサプリメント)は試す価値があるか?
A. 個人的には、人間を対象として体組成やパフォーマンスにポジティブな効果があることを示すエビデンスを見たことがない。ただ全部チェックしたわけではないので、もし見る価値のあるデータがあるなら送ってほしい。


参考:
Nutrition Facts 101: Alan Aragon
http://fitnfly.com/learn-about-food/nutrition-facts
http://fitnfly.com/learn-about-food/nutrition-facts-2

3/04/2014

デッドリフトの基本ポイント

後から書いたこっちの記事の方が詳しいです。
    ↓
デッドリフトのやり方 


★握り方
- なるべくオルタネイトで握らない。
- 握力がもたない重さはストラップ使用推奨。ストラップは輪っかのついていないタイプを推奨。
- 指の付け根付近の皮を巻き込むように握らない。マメが酷くなる。

★立ち位置
- 直立した時にバーが脛から1-1.5インチくらいの位置に立つ。足のアーチの中間位置のちょうど上くらいにバーがくる。
- 足の開く距離は8-12インチくらい(大雑把に言えば腰幅くらいのスタンスで良さそう)。つま先はやや外側に開く。

★バーを握る位置
- バーのギザギザが始まるところから1インチくらい外側を握る。デッドリフトの動作中に親指が脚をギリギリこすらないくらい。

★スタートポジションへの手順
- 腰の位置を下げず膝を曲げず前かがみになって(つまりスティッフレッグドで)、バーを握る。
- 膝を曲げていき、脛がバーに当たるポイントで停止する。バーベルを転がさないこと。
- プル開始まで、尻の位置はここから動かさない。
- 膝をやや外側に開き、膝の方向とつま先の方向が揃うようにする。すると膝が肘に当たる。これでOK。
- 背中の筋肉(主に脊柱起立筋と広背筋)を収縮させ、胸を張る。下背部は丸まらない。
- 肩甲骨は寄せない。
- 首の角度は、12-15フィート先の地面を見るくらいにする。
- スタートポジションの時、肩はバーよりも前に出ているはず。垂直線に対する腕の角度は7-10度くらいになる。

★デッドリフトの動作
- 腹圧を高め、体幹の筋肉が一体化するのをイメージする。
- 足の中心で地面を押し下げるようにしてプル開始。
- バーが脚の表面を滑るように引き上げる。身体からバーが遠くなると、バランス悪くなるし、力学的にも不利。
- バーが当たって脛が痛い場合は長ズボンや脛当てでガードする。
- バーが膝の高さにくるまでは、背中の地面に対する角度は一定にする。股関節と膝関節の角度が開いていく。
- バーが膝の高さを過ぎたら、股関節の角度をぐいっと開く。
- バーは地面から垂直に移動する。バーが前後にフラフラするのはフォームが悪いせい。
- トップポジションまで引き上げたら、胸を張って1秒ほど停止する。無理に腰を反らしたりするのはやり過ぎ。
- 下ろす時は、上げるときの手順をそのまま逆に。下ろす速度は上げる時よりも速くて良い。
- 引き上げてから下ろすまで呼吸はしない。バーが地面についている時に呼吸を行う。
- バーベルを地面でバウンドさせない。伸張反射を使わず、停止状態から引き上げる強さを鍛える。dead stopの状態から筋力を発揮する必要があるから、デッドリフトと言う。


参考: Starting Strength Basic Barbel Training 3rd Edition / Mark Rippetoe
(本の説明では図と写真が多く入っていてわかりやすいです。他にはスクワットプレスベンチプレスパワークリーンの解説があります。)

参考動画:
【肉体】正しいデッドリフト講座【改造】 AF版
https://www.youtube.com/watch?v=dD7K4bZfDL4
【肉体】正しいデッドリフト講座【改造】 Omar版
http://www.youtube.com/watch?v=Z_-xIvf0iOg&feature=youtu.be

関連記事:
挙上重量によるデッドリフトのフォームの違い 


[ボディメイク記録] 減量終了

期間: 10週間(4週間減量+2週間維持+4週間減量)

★減量前
体重: 約80kg(グリコーゲン・水分いっぱい)
体脂肪率: 18~19%

★減量後
体重: 約75.5kg(グリコーゲン・水分ある程度戻って)
体脂肪率:  12~13%(見た目と筋力変化と体重変動で判断)

★筋力
特に落ちてはいないと思う。

★ウェイトトレーニング
週三回トレーニング。三分割で各部位週一回。基本的に6-15RM。

★有酸素運動
前半は特に無し。後半はウェイトトレーニング後に10-30分ほどエアロバイクを心拍数120-130程度で。頑固な脂肪が少しでも減ってくれればいいかなというのと、健康にも良いだろという理由。

★食事
- 食事回数はだいたい一日4回。朝食、昼食、夕食、寝る前。前夜のタンパク質量を増やして朝食抜くこともあった。
- タンパク質の摂取量は一日150-200g程度。カッテージチーズ、全卵、無脂肪ヨーグルト、魚、プロテイン粉末など。(私は肉が食べられないので、マストアイテムのササミが使えず)
- 脂質の摂取量はだいたい一定だったと思う。主に全卵と魚から摂取。魚はオメガ3脂肪酸を含むものを多く食べるようにした。
- 炭水化物の摂取量でカロリーを調整。筋グリコーゲン補充とかレプチン回復とか考えて、炭水化物はデンプンを主に摂取。米やパスタ。
- 健康のために野菜と果物と豆類を摂取した。
- 摂取カロリーは一日1500-2500kcalだと思う。厳密に計算してない。
- 減量前半は、リフィードとかあまり考えずに適当にやってた。基本的なことだけ。
- 土日に人と普通の食事をすることが多かったので、減量後半は土日を意識的にリフィードの日とした。アルコールもほぼ毎週末飲んでた。アナボリック効果を得たかったので土日はなるべくトレーニングを行うようにした。水曜もトレーニング日でリフィードを軽くおこなった。

★雑感
- 初めて計画的に減量したが、結構うまくいった。
- 体脂肪率15%を下回ってきたあたりから身体の抵抗が出てきた感じ。自分の維持しやすい体脂肪率はこの辺なのだろう。
- リフィードはトレーニング後から行うようにしていたが、アナボリック効果を高めるためには、トレーニング前に筋グリコーゲンを補充しておいたほうが良いみたいなので、次回からそうしよう。炭水化物100g→トレーニング→炭水化物100gみたいな感じで。筋グリコーゲン枯渇状態で炭水化物が入っても、筋グリコーゲンの充填が優先されて、筋合成にエネルギーがあまり回されないらしい。
- 体脂肪率18-19%くらいまで増量してから減量を始めたが、ここまで増やすと見た目が悪いし、筋肉のインスリン感受性が悪化してCalorie Partitioningが不利になって脂肪が増える割合が高まるようなので、今後は15%付近で増量は止めるつもり。
- 内分泌系・神経系の回復のため、今週と来週は2週間の維持期とする。その後すぐまた増量するかはその時考える。